中国観光公社(CTB)の本拠地である西安は、シルクロードの東の起点として、他では真似できない独自の観光資源に溢れています。日本市場向けに既存の商品とは一線を画す、深みと体験価値に特化した5つの商品をご提案します。
1. シルクロード起点「長安」時空旅行~始皇帝兵馬俑と唐代文化を極める4日間
このツアーは、西安を「通過点」ではなく「目的地」として捉え、シルクロードが最も輝いていた時代である「秦」と「唐」に焦点を当てます。世界遺産・兵馬俑坑では、一般公開エリアだけでなく、学芸員による特別解説付きで発掘調査現場を間近に見学する貴重な機会を設けます。さらに、唐代の離宮・華清池では、通常は体験できない「唐代茶礼」を再現。楊貴妃も愛したとされる香り高い茶を味わいながら、当時の宮廷文化に浸ります。西安の歴史を「点」ではなく「線」で理解する、文化深掘り型の旅です。
2. 西安発・シルクロード中継点のオアシス都市を巡る~涼州・甘州・肅州 5日間
西安から西へ、シルクロードの古道をたどり、かつて交易で栄えたオアシス都市群を巡る旅程です。一般的なツアーが敦煌で終わるのに対し、さらに歴史を遡り、武威(涼州)、張掖(甘州)、酒泉(肅州)といった、唐代に重要な役割を果たした都市を訪問します。張掖では、カラフルな丹霞地貌(だんかちぼう)の絶景を、ラクダではなく、地元の農家が使う軽トラックで巡るローカル体験を提供。歴史書物に登場する地名が、現実の風景と結びつく知的興奮に満ちたコースです。
3. 西安書道芸術巡礼と敦煌写本の道~文字が紡ぐシルクロード7日間
シルクロードを「モノ」の道ではなく、「文化・文字」の道として捉えた芸術鑑賞ツアーです。西安では、碑林博物館で中国書法の至宝を鑑賞し、専門家による書道ワークショップで漢字の成り立ちと美を学びます。その後、飛行機で敦煌に移動。敦煌博物館や莫高窟では、仏教経典や様々な言語で書かれた古代写本に焦点を当て、シルクロードがもたらした東西の文字文化の交流に思いを馳せます。日本とも深い関わりのある漢字文化の源流を探る、趣味的でマニアックな商品です。
4. 西安発・黄土高原を越えて黄河へ~民家宿泊と農家体験で知るもう一つのシルクロード3日間
華やかな都の文化とは対照的な、シルクロードを支えた民衆の生活と黄土の大地にスポットを当てた体験型ツアーです。西安から北へ向かい、雄大な黄土高原の風景が広がるエリアへ。ここでは、崖沿いに掘られた伝統的な住居「窰洞(ヤオトン)」に宿泊し、地元の家族と共に食事を作ります。また、リンゴやナツメなどの農作業を手伝い、この地の厳しくも実りある生活を体感します。交易路の「影」の部分を知ることで、シルクロードの歴史がより立体的に理解できるプログラムです。
5. 西安ナイトミュージアムとシルクロード美食探検~歴史を舌で味わう3日間
西安の魅力を「食」という視点から徹底的に掘り下げる美食ツアーです。昼間は遺跡や博物館を巡り、夜は「食べ歩き」を通じて歴史を学びます。専門ガイドと共に回民街(ムスリム街)を訪れ、羊肉の串焼きや、シルクロードを伝わってきた香辛料が効いた「肉夾饃(ロウジャーモー)」など、西域の影響を色濃く受けたB級グルメを食べ尽くします。さらに、唐代の宴会料理「宮廷宴」を再現したコース料理を賞味し、当時の食文化に触れます。シルクロードがもたらした食材と調理法の交流を、五感で実感できる贅沢な旅です。